看護師として働くママのうち、育児と仕事の両立に悩む人も多いと思います。

子どもが小さいうちは、もっと一緒に過ごしたい



でも、看護師として働き続けたい



こんなモヤモヤを抱えているママ看護師の方も
多いのではありませんか?
この【体験談シリーズ】では、
実際に時短勤務を希望して転職にチャレンジした現役看護師ママたちのリアルな声
をお届けします。働き方に悩んだ時に、参考になるよう、どんな職場でどのように時短が叶ったのか、どのような工夫が必要だったのかを詳しく紹介します。
看護師という仕事は、命と向き合う責任ある職業。
それだけに、「子育てしながらフルタイムで働くのは大変」という声は多く聞かれます。
今回は、病棟勤務から内科クリニックへ転職した横田さんと、訪問看護ステーションに転職した佐野さんの体験談です。
この記事では、横田さんと佐野さんがどのように悩みながら、実際に転職でどんな変化があったのかお伝えします。
体験談①:2児のママが総合病院から個人クリニックへ



こんにちは!内科クリニックに勤務している横田です。
- 年齢:30代
- 性別:女性
- 住んでいる都道府県:福岡県
- 経歴:総合病院→内科クリニック
- 家族構成:夫と3歳と5歳の子ども二人
転職を考えたきっかけは「仕事も家庭も中途半端になってしまう」





横田さんが転職を考えた理由は?



育休から復帰して、最初にぶつかったのは「時間のなさ」でした。
夫もフルタイム勤務なので、平日の育児・家事はほぼ私の担当です。
毎朝6時に起きて、朝ごはんを準備して、子供を保育園へ送り、8時半に出勤。
日勤が終わるのは、18時を過ぎることが多く、そこから急いで保育園にお迎えに行っても帰宅は19時近くなっていました。



かなり忙しかったんですね。



日勤だけじゃなく、夜勤もこなしていたので、夜勤明けはふらふらでした。
子どもが体調を崩すたびに職場の人たちに頭を下げてばかりで。
子どもに対してもイライラしてしまうことが多かったです。



お子さんにイライラしてしまうとつらいですね。



そうなんです。
大切な子どもたちのために、好きな仕事をしているはずなのに。
時間もなくて、子どもたちの成長も見逃している気もして。
このままじゃ、仕事も家庭も、中途半端になってしまうなと思いました。
職場選びの軸は「家庭第一でも働けること」



転職先はすぐ見つかりましたか?



求人サイトなどを見ていましたが、「時短勤務OK」と書かれている求人は少なくて。不安でした。



どのように探されたんですか?



看護師専門の転職エージェントに登録しました。
担当の方に「15時までには帰りたい」「子どもの急な体調不良にも理解がある職場がいい」と、希望を正直に伝えました。
紹介されたのは、自宅から自転車で10分の距離にある内科系のクリニック。
面接では、院長先生自らが「子育て中の方は優先的に15時までのシフトにしている」と話してくださり、安心して入職を決めました。
転職後、時間にゆとりができるように。



転職されて、変わった点はありますか?



現在は、地域密着型の内科クリニックで9:00〜15:00の週4日勤務。
朝は7時起きでも間に合うようになり、子どもとの朝の時間にもゆとりができました。
帰宅後は保育園のお迎え前に買い物や夕食の準備を済ませられるので、子どもが帰ってきたらゆっくり関われるように。
疲れていても「もうひと頑張りしよう」と思えるくらい、気持ちにも余裕ができました。
職場には同じように子育て中のママナースも多く、「お互いさま」の雰囲気がとても温かいです。
子どもが熱を出して急に休んだときも、嫌な顔ひとつされませんでした。



うれしかったことはありますか?



何よりうれしかったのは、子どもが「ママ、お迎え早かったね!」と笑顔で言ってくれたこと。
一緒に夕方の公園で遊べるようになったり、寝かしつけの絵本の時間にも余裕が持てるようになり、子どもも以前より穏やかになった気がします。
私自身も、夜に子どもが寝たあとにコーヒーを飲む時間ができました。
「なんだか、ちゃんと生きてるって感じがする」——それが、今の素直な気持ちです。
体験談②:病棟勤務から訪問看護へ転職したシングルマザー



はじめまして!訪問看護師の佐野です。
- 年齢:40代
- 性別:女性
- 住んでいる都道府県:兵庫県
- 経歴:急性期病棟→訪問看護ステーション
- 家族構成:小学三年生の子どもと二人暮らし
転職理由は「子どもに我慢させている…」





佐野さんの転職のきっかけは?



急性期病棟で正職員として勤務しており、日勤・夜勤・早番・遅番すべて対応するフルタイム勤務でした。
平日は朝6時に起きて朝食と娘の支度を済ませ、放課後は学童へ。帰宅は19時を過ぎ、そこから夕飯・宿題・お風呂・寝かしつけ…。
夜勤のある週は母に頼るしかなく、頼れない日は子どもに寂しい思いをさせてしまいました。



お子さんが一人で過ごす時間もあったんですね。



休日出勤も多くて、「休みの日に家族でどこかへ行く」という機会が本当に少なかったですね。
一番つらかったのは、「子どもに我慢させている」という罪悪感でした。
夜勤明けでフラフラなまま学童へ迎えに行き、眠気と疲労でイライラしてしまう日も…。
子どもが「ママ、今日もおしごと?」と聞くたびに、心がチクッと痛みました。
シングルマザーで夜勤を続けることへの体力的・精神的な限界を感じていました。
訪問看護への挑戦



転職で優先したことはありますか?



私にとって「夜勤のない職場」「午後には帰れる勤務形態」は最優先条件でした。



訪問看護は希望していたんですか?



訪問看護にはあまり詳しくなかったので、転職サイトを見ては不安になって閉じる…を繰り返していました。
そんなときに看護師専門の転職エージェントに相談し、「訪問看護ステーション」という選択肢を紹介されました。
未経験OK・同行訪問あり・午前のみパートOKという条件に魅力を感じ、面接を受けることに決めました。



入職を決めた理由はありますか?



「子どもが急に体調を崩したときはどうすれば…?」と相談すると、「お互い様なので柔軟に対応していますよ」と言ってもらえたことで、安心して入職を決めました。
転職後は「家の中に笑い声が増えました」



転職されて、どのような生活をされていますか?



訪問看護ステーションにて9:00〜13:00のパート勤務をしています。
午前中に2〜3件の訪問を担当し、13時過ぎには自宅に戻れる生活になりました。
午後は子どもの下校を家で迎えられるようになり、一緒におやつを食べたり、宿題を見たりする時間が取れるようになりました。



変わったことはありますか?



以前より、娘の表情が明るくなりました。
家の中に“笑い声”が増えた気がします。
以前は「早く寝て」「早く食べて」と急かす毎日でしたが、今は「今日は学校どうだった?」とゆっくり聞ける余裕があります。
娘が「ママ、今日一緒に買い物行こうよ」と笑顔で言ってくれるようになったのが、何よりうれしい変化です。
私自身も、睡眠時間が安定し、体力的にも精神的にもずいぶん楽になりました。
「仕事も家庭も、やっとバランスが取れてきた」と思えます。



訪問看護への不安はありませんでしたか?



最初は、訪問看護=一人で全部やる…という不安が強く、なかなか一歩を踏み出せませんでした。
でも、実際にはサポート体制が整っていて、チームでフォローし合える環境でした。
訪問先は慣れるまで不安でしたが、最初の1ヶ月は同行訪問が中心で、必要な知識やマナーも丁寧に教えてもらえました。
スタッフ同士の連携も良く、「一人じゃない」と実感できる環境です。
看護師が時短勤務しやすい職場の特徴



時短勤務が叶いやすい職場を紹介します。
1. 個人クリニック(内科・小児科など)
- 勤務終了時間が明確で残業が少ない
- 子育て中のスタッフが多く、協力しやすい雰囲気
- 入院施設がないクリニックでは急変対応などの機会が少なく、不安が少ない
2. 訪問看護ステーション
- 訪問が時間単位のため、勤務時間や曜日の調整がしやすい
- チーム看護を採用している場合、一人での訪問でも他のスタッフに相談しやすい
- 短時間勤務のパート募集も豊富
3. デイサービス・デイケア施設
- 基本的に日勤のみ・夜勤なし
- バイタルサイン測定や服薬管理、指示された処置など医療行為が少なめでブランク明けでも安心
- 祝日休み・時短パートの求人が多い
4. 企業看護師・健診センター
- 土日祝休み、定時退勤が基本
- 医療処置より健康管理中心で精神的にゆとりあり
時短勤務への転職を成功させるためのポイント
1. 条件を「曖昧にしない」
「15時までの勤務」「週3日まで」など、具体的な希望条件を明確に伝えましょう。
2. 面接での“聞き方”も大切
「子どもが熱を出した場合の対応」「シフトの柔軟性」など、働き始めてから困らないよう、面接時に率直に確認をしてください。
3. 転職エージェントの活用
時短勤務の求人は非公開で扱われていることもあります。
看護師専門のエージェントに希望を伝えておくことで、好条件の求人に出会える可能性が高まります。
子育てと仕事、どちらも大切にする働き方を選ぼう
かつては「子育て=退職」が当たり前だった時代もありましたが、今は違います。
時短勤務を歓迎する職場や、子育て中のスタッフが活躍する現場も増えています。



家庭も大事にしたい。でも看護師としても働き続けたい。
そんな気持ちを叶える職場は、きっと見つかります。
時短勤務を実現するために、まず動いてみましょう。
- 看護師の働き方は多様化している
- 「時短勤務OK」「子育て支援あり」の職場も増加中
- 実際に転職して満足している看護師ママの声も多数
転職は勇気が必要ですが、行動すれば働きやすい未来が待っています。
あなたらしい働き方を、今日から一緒に探していきましょう。
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