看護師が”やめたい”と思ったときに読む記事

はじめに

皆さん、毎日お疲れさまです。「もう限界かも…」「この仕事を続けていけるのだろうか」そんな気持ちになることはありませんか?あなたが感じているその辛さは、決してあなただけのものではありません。

夜勤が体に負担だな…寝られないことが辛い。



新人教育に学生指導、患者さんの退院後支援…頭が混乱。
そもそも私時短勤務なのに全然帰れない…



日々の残業や勉強、中間管理職としての毎日、本当にお疲れ様です。
辞めたい、と思った今、本当に看護師をやめるべきなのか、一度ゆっくりとこの記事と向き合ってみてください。
看護師が”やめたい”と感じる理由【データで見る実態】


退職理由ランキング(統計データ)
順位 | 退職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 他の看護職場への興味 | 14.0% |
2位 | 転居のため | 8.0% |
3位 | 子育てのため | 7.1% |
4位 | 勤務時間が長い・超過勤務が多い | 7.1% |
5位 | 結婚のため | 6.8% |
6位 | 人間関係の問題 | 6.2% |
7位 | 夜勤の負担 | 5.8% |
8位 | 給与・待遇への不満 | 5.5% |
9位 | 職場の方針との不一致 | 4.9% |
10位 | 健康上の理由 | 4.6% |
出典:看護師転職に関する調査データを基に作成
新人看護師の退職理由(特別調査)
退職理由 | 割合 |
---|---|
上司や同僚との人間関係 | 27.6% |
看護実践能力への不安 | 24.8% |
看護職員としての適性への不安 | 22.1% |
勤務時間・休暇の問題 | 18.3% |
教育体制の不備 | 15.2% |
出典:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」
看護師が”やめたい”と感じる7つの主な理由


1. 人間関係の悩み
看護師の職場では、医師、同僚、患者・家族など多様な人との関わりがあります。上司からの厳しい指導、同僚との価値観の違い、患者や家族からの理不尽な要求など、複雑な人間関係が精神的な負担となることが多くあります。特に新人看護師の場合、先輩からのプレッシャーや指導の厳しさに心が折れそうになることもあるでしょう。
2. 業務の多忙さと責任の重さ
看護師の業務は多岐にわたり、常に時間に追われる状況が続きます。患者の命に直接関わる責任の重さ、医療ミスへの恐怖、夜勤や変則勤務による身体的負担が重なり、心身ともに疲弊してしまうことがあります。
3. 給与・待遇への不満
責任の重さや労働の過酷さに見合わない給与、残業代の未払い、有給休暇が取りにくい環境など、待遇面での不満も離職を考える大きな要因です。



時短勤務で夜勤免除してもらってるママNSは特に、新卒のような給与の場合も…。頑張りが給与に反映されないことも不満が生まれやすい原因です。
4. 理想と現実のギャップ
看護学校で学んだ理想的な看護と、現場での現実とのギャップに悩む看護師は少なくありません。忙しすぎて患者一人ひとりに寄り添った看護ができない、理想の看護師像と程遠い自分に失望するなど、職業への幻滅感を抱くことがあります。
5. 医療ミスへの恐怖とプレッシャー
一つのミスが患者の生命に関わる可能性があるため、常に緊張状態で働く必要があります。過去にミスを犯してしまった経験がトラウマとなり、仕事への恐怖心が芽生えることもあります。



特に中間管理職だと、自分が一番年長という日も出てきているのではないですか?急変時の振り返りカンファレンスが糾弾カンファレンスになった経験もあります…。
6. 身体的・精神的な健康問題
夜勤による睡眠リズムの乱れ、立ち仕事による腰痛、精神的ストレスによるうつ症状など、健康面での問題が深刻化することがあります。
7. プライベートとの両立困難
不規則な勤務形態により、家族との時間が取れない、友人との予定が合わない、趣味や自分の時間が確保できないなど、ワークライフバランスの悪化も離職を考える要因となります。
経験年数別の悩みの特徴


1年目看護師の悩み
新人看護師は技術的な未熟さや知識不足から、指導を受ける場面が多く、精神的なプレッシャーを感じやすい時期です。業務に慣れていないため、理想と現実のギャップに直面し、自信を失うことも多いでしょう。
中堅看護師の悩み
経験を積む中で、後輩指導や委員会活動などの責任が増え、業務負担が重くなります。また、昇進への期待とプレッシャー、家庭との両立などの新たな悩みが生まれます。
ベテラン看護師
長年の経験により身体的な疲労が蓄積し、新しい医療技術への適応や若い世代との価値観の違いに戸惑うことがあります。また、管理職としての責任の重さに悩むこともあります。
“やめたい”気持ちを整理する方法


1. 問題点の具体化
まず、なぜ辞めたいのかを具体的に書き出してみましょう。「なんとなく辛い」ではなく、「上司の指導が厳しすぎる」「残業が月50時間を超えている」など、具体的な問題点を明確にすることが重要です。
2. 看護師の仕事自体が嫌なのか、職場環境が嫌なのかを区別
看護師という職業そのものに魅力を感じなくなったのか、それとも現在の職場環境に問題があるのかを明確に区別しましょう。この判断により、取るべき対策が大きく変わります。
3. 自分の価値観と目標の再確認
なぜ看護師になろうと思ったのか、どんな看護師になりたいのか、今後のキャリアプランはどうなのかを改めて考えてみましょう。
問題別の対処法
人間関係の問題への対処
- 信頼できる相手への相談: 同期や先輩、家族など、信頼できる人に相談しましょう
- コミュニケーションスキルの向上: 研修参加や書籍学習でスキルアップを図る
- 距離を置く: 問題のある人とは必要最小限の関わりに留める
- 部署異動の検討: 同じ病院内での異動で環境を変える



特に新人看護師は人間関係に問題を抱えやすいです。ぜひ、信頼できる人をみつけてその人に自分の考えを知ってもらう努力をしましょう。
業務負担軽減への対処
- 効率的な業務方法の学習: 先輩のやり方を観察し、効率化のコツを学ぶ
- 優先順位の明確化: 緊急度と重要度で業務を分類し、計画的に取り組む
- 上司への相談: 業務量が適正でない場合は、上司に相談して調整を求める
- 勉強会や研修への参加: スキルアップにより業務効率を向上させる
給与・待遇改善への対処
- 労働組合への相談: 給与や労働条件の改善を組織的に求める
- 管理職との面談: 個人的に待遇改善を相談する
- 資格取得: 専門資格取得により給与アップを目指す
- 転職の検討: より良い条件の職場への転職を検討する
医療ミスへの不安軽減
- 知識・技術の向上: 継続的な学習で自信をつける
- チェック体制の活用: ダブルチェックなどのシステムを積極的に活用
- 報告・連絡・相談の徹底: 分からないことは必ず確認する
- ミス事例の共有: 職場全体でミス防止策を検討する



医療の世界は常に勉強です。難しいかもしれませんが、知識や技術が向上すれば自分の看護に自信がつき、仕事も楽しくなるし人間関係も向上するといういいことづくしなのでぜひ興味のある分野で働きましょう!
転職を検討すべき判断基準


転職を考えるべきケース
- 精神的・身体的症状が深刻: うつ症状、不眠、食欲不振などが続いている
- 改善の見込みがない: 上司への相談や努力をしても状況が変わらない
- ハラスメントがある: パワハラ、セクハラなどが横行している
- 違法な労働環境: 労働基準法に違反する勤務を強要される
- 価値観の不一致: 病院の方針と自分の看護観が根本的に合わない
慎重に検討すべきケース
- 一時的な感情: 忙しい時期や特定の出来事による一時的な気持ち
- 解決可能な問題: 話し合いや工夫により改善できる可能性がある
- 経験不足による悩み: 時間が解決する可能性が高い新人特有の悩み
💡 転職を決めた方へ
転職活動の具体的な進め方、履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策、転職先の選び方などについて詳しく知りたい方は、「看護師転職を成功させる完全ガイド」をご覧ください。転職活動のステップから内定後の手続きまで、すべてを網羅した実践的な内容をお届けしています。
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看護師を続ける場合の選択肢


1. 部署異動
同じ病院内でも部署が変われば、業務内容や人間関係が大きく変わります。内科から外科へ、病棟から外来へなど、自分に合った部署を見つけることで働きやすさが向上する可能性があります。
2. 勤務形態の変更
常勤から非常勤へ、日勤のみの勤務へなど、勤務形態を変更することで負担を軽減できます。
3. 転職
- 急性期病院から慢性期病院へ: よりゆったりとした環境での看護
- 病院から診療所・クリニックへ: アットホームな環境での勤務
- 企業看護師: 産業保健師として企業内で働く
- 訪問看護: 在宅医療の分野で患者に寄り添う看護
- 保健師: 地域保健や学校保健の分野で活動
- 看護師以外の医療関連職: 医療事務、医療機器営業など
4. 専門性の向上
専門看護師や認定看護師などの資格取得により、専門分野でのキャリアアップを目指すことで、仕事への意欲を回復できる場合があります。
看護師以外の道を選ぶ場合


看護師の経験は多くの分野で活かすことができます。
- 医療関連企業: 医療機器メーカー、製薬会社での営業や開発
- 教育分野: 看護学校の教員、医療系予備校の講師
- 保険・金融業界: 医療保険の査定業務
- ライター・編集: 医療系記事の執筆や編集
- 起業: 医療相談サービスや健康管理アプリの開発



自分では思いもつかなかったような働き方があります。今の職場に合わないな…と気持ちが沈んでいる方、絶対に自分に合う働き方があるので視野を広げてみてください◎
退職を決めた場合の進め方


1. 退職の意思表示
退職希望日の1〜3ヶ月前には上司に相談しましょう。感情的にならず、冷静に理由を説明することが大切です。
2. 引き継ぎの準備
担当業務の引き継ぎ資料を作成し、後任者がスムーズに業務を開始できるよう準備します。



自分の担当患者さんのことや、自分の委員会、チームの仕事について引継ぎの準備をしましょう。
3. 退職理由の整理
転職活動では、前職の不満ではなく、将来への前向きな理由を中心に説明できるよう準備しましょう。
メンタルヘルスケアの重要性


看護師という職業は精神的な負担が大きいため、メンタルヘルスケアは非常に重要です。
セルフケアの方法
- 規則正しい生活: 睡眠、食事、運動のリズムを整える
- 趣味や リラクゼーション: ストレス発散の時間を確保する
- 相談相手の確保: 家族、友人、同僚など話を聞いてもらえる相手を持つ
専門機関への相談
以下の症状が続く場合は、専門機関への相談を検討しましょう。
- 気分が沈む、憂うつな状態が続く
- 何をするにも元気が出ない
- 理由もなく不安な気持ちになる
- 眠れない、食欲がない
- イライラして怒りっぽくなる
最後に:あなたの選択を支持します


看護師を辞めたいと思うことは決して恥ずかしいことではありません。あなたが感じている辛さや悩みは、多くの看護師が経験していることです。
重要なのは、その気持ちと真摯に向き合い、自分にとって最良の選択をすることです。看護師を続けるにしても、他の道を選ぶにしても、あなたがこれまで培ってきた経験と知識は必ず活かされます。
一人で悩まず、信頼できる人に相談し、時には専門機関の力も借りながら、あなたらしい人生を歩んでください。どんな選択をしても、あなたの価値は変わりません。自分を大切にし、幸せな未来に向けて一歩を踏み出してください。
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