看護師転職の面接でよくある質問と回答例10選

看護師として転職を考える際、面接は内定獲得の重要な関門です。採用担当者は、看護師としての技術や知識だけでなく、患者さんへの思いやりや職業倫理、そして長期的に働ける人材かどうかを見極めようとしています。

しっかりと準備をして面接に臨み、理想の職場での内定を掴みましょう。

この記事を読んでわかること

・看護師転職面接で必ず聞かれる10の質問と効果的な回答例
・自己紹介から志望動機、看護観まで具体的な答え方のポイント
・NG回答例と避けるべき表現方法
・面接で好印象を与えるための3つの重要なコツ
・事前準備で押さえておくべき4つのポイント

転職は初めてだし、ビジネスマナーなんてわからない…

あお

看護師の転職は一般とは違い特有の質問があります。事前に対策をすれば自信をもって面接に挑めますよ◎

目次

看護師転職面接で必ず聞かれる10の質問と効果的な回答例

1. 自己紹介をお願いします

質問の意図 :面接の冒頭で必ず聞かれる質問です。あなたの基本的な情報と人柄を知り、面接の雰囲気を作るための質問でもあります。簡潔で印象に残る自己紹介ができるかが重要なポイントです。

良い回答例

「看護太郎と申します。○○大学看護学部を卒業後、○○病院の循環器内科で4年間勤務してまいりました。循環器疾患の急性期から慢性期まで幅広い患者様のケアを経験し、特に心不全患者様の在宅復帰支援に力を入れて取り組んでまいりました。今後は、周術期から循環器看護全般をより深く学びたいと考えており、循環器外科とCCUの両方を経験できる貴院を志望いたしました。本日はよろしくお願いいたします。」

NG回答例
  • 名前だけの簡単すぎる自己紹介
  • 前職への不満を述べる
  • アピールポイントが長すぎる自己紹介

ポイント 自己紹介では「名前(フルネーム)」「最終学歴」「職務経歴」を基本とし、志望動機や強みを一言で添えると好印象です。簡潔に1分程度でまとめることを心がけましょう。

2. 志望動機を教えてください

質問の意図: なぜその病院で働きたいのか、長期的に働く意思があるのかを確認したい質問です。病院の特色や理念を理解しているか、自分のキャリアとどう結びつけているかが重要です。

良い回答例

「これまで2次救急の循環器外科で3年間経験を積んでまいりました。その中で、よりハイレベルな環境で看護技術を学び、患者様の在宅復帰により貢献したいと思うようになりました。貴院は○○県の基幹病院として、先端医療技術を積極的に導入し、患者様の退院と在宅復帰を支援していらっしゃいます。これまでの経験を活かしながら、患者様の予後を大きく左右する3次救急の看護技術・知識をさらに高めたいと思い、志望いたしました。」

NG回答例
  • 待遇面(給料、休日)に魅力を感じたから
  • 自宅から近いから
  • 人間関係が良さそうだから

ポイント 「これまでの経験と志望先の病院がどうつながるのか」を明確に伝えることが重要です。病院のホームページを事前に調べ、理念や特色を盛り込んだ志望動機を準備しましょう。

あお

クリニックへの就職の場合、自宅が近いというのは立派な志望動機になることもあります。近い=辞めないので、クリニック側にもメリットになります◎

3. 前職を辞めた理由は何ですか?

質問の意図 :同じような理由で再び退職しないか、職場適応力があるかを判断したい質問です。

良い回答例

「前職では5年間、消化器外科病棟に勤務いたしました。末期のがん患者様も多くケアする中で、次第に緩和ケアへの興味が高まり、より専門的に緩和ケアを学び、実践できる環境で働きたいと考えるようになりました。看護師として新たな成長を目指し、この地域の緩和医療を牽引されている貴院で経験を積みたいと思ったのが大きな理由です。」

NG回答例

・病棟の人間関係が悪かった
・残業や夜勤が多く、給料に納得いかなかった
・前職が忙しすぎて、楽に働きたい

ポイント 人間関係や待遇面での不満をそのまま伝えるのはNG。成長意欲やキャリアアップなど、前向きな理由に変換して伝えることが大切です。

4. これまでの経歴を教えてください

質問の意図 :あなたの看護師としての経験や成長過程を理解し、志望先の病院でどのような活躍が期待できるかを判断したい質問です。

良い回答例

「○○大学を卒業後、○○病院の整形外科病棟で5年間勤務しております。主な担当業務は大腿骨頸部骨折や腰椎圧迫骨折、人工関節置換術などの周術期看護です。理学療法士と協働してリハビリ計画を作成し、病棟でのリハビリ指導や、退院支援に向けた多職種カンファレンスの開催にも積極的に取り組んでまいりました。5年間勤める中で、在宅復帰された方が健康で安全な自宅生活を送り続けられる支援の重要性を感じ、地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担われている貴院で、さらなる経験を積みたいと考えております。」

ポイント 職歴を時系列で整理し、それぞれの職場で「何を経験し、学んだのか」を具体的に伝えます。転職回数が多い場合も、省略せずすべて伝えることが重要です。

5. 看護師になった理由・きっかけを教えてください

質問の意図 :看護師としての根本的な動機や価値観を確認し、仕事への熱意や長期的に働く意欲があるかを判断したい質問です。

良い回答例

「中学生の頃、父が入院した際の担当看護師さんとの関わりがきっかけです。『父がもう退院できないのではないか』ととても不安でしたが、当時の私は家族にも気持ちを伝えることができませんでした。そのとき、担当看護師さんが『何か困っていることはありますか?』と声をかけてくださり、親身に話を聞いてくれたため、安心することができました。その経験から『将来は常に患者様とご家族に寄り添う看護師になりたい』と思うようになりました。現在でも、患者様やご家族との関わりでは、常に困りごとや不安がないかを確認し、支援するよう心がけています。」

NG回答例
  • お給料が良いから
  • なんとなく家族が看護師だったから

ポイント 具体的なエピソードを交えて、看護師への情熱や職業観を伝えることが重要です。

6. あなたの看護観について教えてください

質問の意図 :看護師としての価値観や職業倫理が病院の方針と合致するかを確認したい質問です。患者さんに対する考え方や看護への姿勢を知りたいと考えています。

良い回答例

「治療が優先になる超急性期の場面でも、患者様とご家族の気持ちに常に寄り添うことを大切にしております。脳外科病棟に入院される方は突然の発症で重症度が高いことが多いため、どうしても治療が最優先され、患者様とご家族の気持ちは置いていかれがちです。しかし私は、突然のことで不安を抱えているからこそ、患者様やご家族に今どのような治療をしているのかをタイムリーに説明することも大切な看護だと感じています。そのためには専門的な知識と看護技術が必要と考え、普段から積極的に勉強会やセミナーに参加して自己研鑽に努めております。」

ポイント 「結論・エピソード・締め」の3段構成で答えると効果的です。志望先の病院の理念や方針も事前に調べ、マッチする内容を選んで伝えましょう。

7. 希望する診療科はありますか?

質問の意図 :配属への希望や専門分野への関心度を確認し、モチベーション高く働けるかを判断したい質問です。

良い回答例

「前職では小児科を6年経験しましたので、可能であれば、高度な小児医療を提供されている貴院で、より専門的な小児看護を学びたいと思っております。将来的には新生児集中ケアの認定看護師も目指したいと考えておりますが、どちらの診療科に配属となっても一生懸命取り組むつもりです。」

NG回答例

・絶対に〇〇科で働きたい
・〇〇科には興味はないので△△科でお願いします。

ポイント 希望がある場合は具体的な理由とともに伝えますが、「希望と異なる配属でも頑張る」という柔軟性も併せて示すことが重要です。

8. あなたの長所と短所を教えてください

質問の意図 :自己分析能力と、短所を改善しようとする向上心があるかを確認したい質問です。人柄や性格を理解するためでもあります。

良い回答例

「長所は責任感があることです。何かイレギュラーなことやトラブルが起こった際は、メンバーと相談しながら最後まで自分で対応しようと努力しています。一方で、責任感が強すぎるあまり、問題を一人で抱え込んでしまいがちなところがあり、上司や同僚からも指摘されたことがあります。そうした自身の短所を意識し、なるべく周りの人に意見を聞くよう心がけています。」

NG回答例
  • 特にありません
  • 時間にルーズなところ
  • 早食いが得意です(仕事に関係ない特技)

ポイント 長所は看護師の仕事に活かせるものを選び、短所は努力次第で改善できるもので、改善に向けた取り組みも一緒に伝えることがポイントです。

9. 印象に残った患者さんとのエピソードはありますか?

質問の意図 :患者さんとの関わりを通じて、どのような学びや成長をしているかを確認したい質問です。看護師としての価値観や成長意欲も見られています。

良い回答例

「経管栄養中の患者様の『口からご飯を食べたい』という希望を叶えるため、言語聴覚士と連携して日々の嚥下訓練を支援し、経口摂取ができるようになったことがありました。食後に一言『美味しかった』という言葉をいただけて、看護師としてやりがいを感じた瞬間でした。その経験から、患者様の意思を尊重することで意欲を引き出せることを学び、QOLの高い暮らしを支える看護を提供していきたいと考えるようになりました。貴院でも、この経験をもとに学んだことを継続していきたいと思っております。」

ポイント 「場面・学び・締め」の3段構成で答えると効果的です。単なる思い出話ではなく、そのエピソードから看護師として何を学んだかを必ず伝えましょう。

10. 夜勤や残業についてはどう考えていますか?

質問の意図 :看護師の重要な業務である夜勤や残業に対する理解と対応能力を確認したい質問です。特に家庭がある方には働き方について現実的な話し合いが必要です。

良い回答例

「夜勤や残業はできる限り対応したいと考えております。ただ、子どもがまだ保育園児なので、現在は頻回の夜勤や土日の残業はどうしても難しい状況です。夫や両親も私の仕事を応援してくれているので、できる限り対応できる状況を整えていきたいと思います。よろしければ、貴院でお子様がいらっしゃる看護師さんは、どのように対応されているのかお伺いしてもよろしいでしょうか。」

NG回答例

・基本的には定時で帰らせていただきたいです
・いつでも夜勤・残業が可能です(現実的でない回答)
・できれば夜勤には入りたくありません

ポイント 「なるべく対応できるように努力する」姿勢を示しつつ、制約がある場合は正直に理由を伝えます無理な約束をすると入職後にトラブルになる可能性があります。

あお

好印象を残したくても、できない条件で入職すると後が大変なので正直に話しましょう。

面接で好印象を与えるための3つのポイント

ネガティブな内容もポジティブに締める

退職理由やブランクの理由など、ネガティブになりがちな内容でも、最後は「その経験から学んだこと」を伝え、「今後は○○したい」とポジティブに締めくくりましょう。

待遇面の条件については話さない

志望動機や退職理由で給料や休日などの待遇面を中心に話すのは避けましょう。面接官に「条件の良い病院があればまた転職するのでは」と思われてしまいます。

暗記した回答をそのまま話さない

準備は大切ですが、丸暗記した回答は不自然に聞こえます。面接官が知りたいのはあなたの個性や人柄です。自分の言葉で誠実に伝えることを心がけましょう。

あお

採用、育成コストは病院側にとって大きな負担です。優秀な人材を長く雇用したいという企業心理をとらえましょう◎

まとめ

看護師転職の面接では、専門職としての知識や経験だけでなく、患者さんに対する思いやりや職業倫理、そして長期的に働ける人材かどうかが重要視されます。

面接当日に焦らないよう、事前準備として以下のポイントを押さえておきましょう:

  • 自分の看護観や経験を整理する
  • 応募先の病院について詳しく調べる
  • 具体的なエピソードを交えた回答を準備する
  • ネガティブな内容もポジティブに変換する練習をする

面接は緊張するものですが、十分な準備をして自然体で臨めば、きっと良い結果につながるでしょう。質問に答えるときは焦らず、一呼吸おいてから丁寧に回答することを心がけてください。

転職は新たな成長とキャリアアップの機会です。しっかりと準備をして面接に臨み、理想の職場での活躍を目指してください。

看護師転職を成功させるための転職サイト選び

面接対策も重要ですが、そもそも自分に合った求人を見つけることが転職成功の第一歩です。看護師専門の転職サイトを活用することで、希望条件に合った職場を効率的に探すことができ、面接対策のサポートも受けられます。

看護師転職サイト徹底比較!おすすめランキング2025年版

上記の記事では、人気の看護師転職サイトを実際に利用した看護師の口コミや評判とともに詳しく比較しています。転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

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