今回は、育児をきっかけに働き方を考え始めた、みさきさん(仮名)のお話です。看護の仕事は好き。それでも、残業や通勤を含めた毎日の働き方には迷いがあります。転職を決める前の気持ちをつづっていただきました。
みさきさんは急性期病院に入り、病棟や集中治療室で経験を重ねてきました。栄養について学び、退院後の暮らしを見据えた支援にやりがいを感じてきた一方、育児が始まってから、仕事と家庭の時間配分を考えるようになったそうです。
ご本人の提供原稿をもとに、名前や個人を特定する情報を変え、読みやすく編集しています。状況は原稿執筆時のものです。以下の一人称は、みさきさん自身の経験と気持ちです。
みさきさんの体験談
退院後の暮らしを支える看護にやりがいを感じて
新人の頃から、患者さんが退院できるように関わりたいという思いがありました。最初は知識が十分ではなく、寄り添うことに必死でした。それでも、ほかにできることはないだろうかと、毎日のように考えていました。
集中治療室に異動して出会った先輩は、全身の状態を見ながら栄養についても具体的に考えていました。自分が目指したい看護に近いと感じ、話を聞いたことが、栄養の勉強を始めるきっかけになりました。
感染症の流行で、すぐには研修や受験に進めませんでした。その間は院内の委員会に参加し、先輩に教わりながら勉強しました。初めは分からなかった言葉も、日々の経験と結び付いて、少しずつ理解できるようになりました。
資格を取得してからは、学んだことを退院に向けた支援に生かしました。説明のための資料や、病棟のスタッフが進み具合を共有できるチェックリストを作ったこともあります。患者さんの退院後の生活を考えること、新人教育につなげることに、やりがいを感じていました。
残業と長い通勤を、育児の始まりから考え直す
仕事にやりがいがあっても、残業の多さはつらいと感じていました。私の職場は3交代で、夜勤はどうにか定時に退勤できても、日勤は遅くなることが多かったです。
初めての育児は、うれしいことばかりではありませんでした。寝不足の中で泣いている子どもを抱っこしながら、これでいいのかなと迷うこともあります。それでも、笑顔や日々の成長を見るたびに、そばで成長を見ていたいという気持ちが強くなりました。
職場までの通勤にも時間がかかります。3交代の勤務と長い通勤を続けながら、家庭を中心にした生活ができるだろうか。子どもと過ごす中で、この働き方を見直したいと考えることが増えてきました。
転職経験はまだない。だからこそ迷う
私は、まだ転職をしたことがありません。今の仕事を辞めた後、どのように働くかを考えているところです。
長く勤めてきた職場には、自分の立場や居心地のよさもあります。積み上げてきたキャリアを離れることには抵抗があり、悔しい気持ちもありました。
看護の仕事が嫌いになったわけではないからこそ、簡単には決められません。これまでの経験を生かしながら、家庭の時間も大切にできる働き方を探したいと思っています。
在宅の仕事を学びながら、看護も続けたい
今、考えているのは、在宅の仕事と看護師のパートを組み合わせる働き方です。保育園を利用できるかどうかによっても、働き方を考える必要があると思っています。

在宅でできる仕事を調べる中で、オンライン秘書という仕事を知りました。先を見越して気を配り、相手の仕事を支えるところに魅力を感じ、現在は勉強しています。
看護とは仕事内容が違っても、人の役に立てる仕事がしたいという気持ちは同じです。ただ、在宅の仕事を始めて、両立できるようになったわけではありません。これから実現したい働き方として考えています。
もし在宅の仕事がうまくいっても、週に2〜3日は看護師のパートを続けたいと思っています。看護の仕事が好きだからです。これまでの経験も、これから学ぶことも生かしていけたらと思っています。
あおより:今の経験と、これからの希望を分けて考える
みさきさんの話は、転職後の成功談ではありません。看護を続けたい気持ちと、今の勤務を続ける難しさの間で、新しい働き方を探している途中のお話です。
- これまでの経験
- 病棟や集中治療室での看護、栄養の学習、退院支援。
- 今、取り組んでいること
- 育児をしながら、オンライン秘書の仕事について学習。
- これからの希望
- 在宅の仕事と看護師パートの組み合わせ。実現した勤務形態ではありません。
同じように考えている方は、通勤にかかる時間、勤務できる曜日や時間帯、残しておきたい仕事のやりがいを、それぞれ書き出してみてください。在宅の仕事でも、対応時間や納期、契約条件の確認は必要です。「自宅でできる」という言葉だけで、育児との両立のしやすさを決めないようにしたいところです。
次の職場に聞くことを整理したいときは、職場選びのチェックリストも使えます。実際に育児と仕事の間で転職を選んだ方の話は、小児科クリニックへ移ったまなみさんの体験談で紹介しています。
コメント